2011年4月23日土曜日

日本のゲーム業界が世界で戦っていくためにセガの

「龍が如く3」発売記念イベントの時の名越稔洋氏(左)。右側に映っているのは,龍が如くの主人公?桐生一馬役の黒田崇矢氏だ
 ゲーム開発者らしからぬその独特の風貌と,奇抜な広報戦略のかいもあってか,セガの名越稔洋氏
といえば,多くの人にとっては「龍が如くのプロデューサー」というイメージが強いかもしれない。
 しかし同氏は,かれこれ20年以上もゲーム開発に携わる,生粋のゲーム職人だ。古くは「デイトナUSA」のプロデューサーとして知られ,また海外では,累計400万本以上を売り上げた「スーパーモンキーボール」シリーズの開発者として有名な人物でもある。
 そんな名越氏の現在の役職は,R&D クリエイティブ オフィサー CS研究開発本部長。要するにセガのコンシューマゲーム部門の現場のトップであり,龍が如くのみならず,セガのコンシューマ向けソフト開発の全般を統括する立場。今後のセガのみならず,いまや日本のゲーム業界の行く末を握るキーマンの一人だといっても過言ではない。

 今回4Gamerでは,その名越氏にインタビューを行い,氏が考える今後の戦略や構想,とくに日本のゲームが海外市場で戦っていくために必要な要素についてなど,いろいろな角度から話題を振ってみた。



日本のゲーム業界が世界で戦っていくために


4Gamer:

 本日はよろしくお願いします。
 タイミング的に名越さんの新作についてのお話はちょっとしづらいと思いますので,今回は,ちょっとゲーム業界全般……,とくに海外市場への取り組みについて伺えればと思います。

名越稔洋(なごし としひろ)。1989年にセガに入社。大ヒットとなった「デイトナUSA」や「スーパーモンキーボール」などをはじめ,多彩なジャンルのゲーム開発に関わる。近年では,数々の常識を打ち破って「龍が如く」シリーズをヒットさせ,名実共に国内を代表するゲーム開発者の一人として知られるようになった。現在は,セガのR&D クリエイティブ オフィサー CS研究開発本部長として,コンシューマ向けのソフト開発全般を指揮する
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名越稔洋(以下,名越氏):
 分かりました。よろしくお願いします。

4Gamer:
 それでは。単刀直入に聞いてしまいますけれど,名越さんは,いわゆる「海外市場向けのゲーム」についてどう考えています?

名越氏:
 いきなり難しい質問ですね(苦笑)。

4Gamer:
 というのも,ここ数年,「海外向けのゲーム」って一体なんだろう? とよく考えるんです。何をもって海外向けとするのかな,と。例えば,外人が主人公だと海外向けで,アニメ絵だと国内向け? いや,そんな単 アグ
純な話じゃないよなぁみたいな。

名越氏:
 うーん。僕としては,なんと言いますか,「日本人が外人の振りをして作るゲーム」っていうのは,やっぱり違うんじゃないかとは思っています。単純に嗜好性うんぬんで売ろうと思ったら,外人の好みは外人が一番よく知っているわけですから,当たり前ですけど,現地で作られるゲームの方が現地のニーズを汲み取りやすいわけですよ。

4Gamer:
 そうなんですよね。

名越氏:
 だから,僕ら日本人がゲームを作って,そしてそれを海外で売っていかなきゃいけないとしても,僕は“日本人としてレッドカーペットを踏めるような作品”を目指さないといけないと思うんです。

4Gamer:
 安易な模倣やマーケティングは逆効果だということですか。


名越氏:

 ええ。

4Gamer:
 ただ例えばですけど,その視点で任天堂さんのゲームなどを考えてみると,任天堂さんの作るゲームって,全部が全部そうじゃないですけど,わりと“本能を刺激するような”ゲームが多い印象を受けるんですよね。

名越氏:
 ああ,まさにそうだと思います。

4Gamer:
 一方で,スクウェア?エニックスさんのゲームなどは,割と文化とか思想みたいなものが前面に出るタイプの作品が多いとも思うんです。

名越氏:
 なるほど。

4Gamer:
 それを踏まえたうえで,世界でゲームを売る……要するに人種や宗教,思想の違いを超えて物を売るこ マノロブラニク
とがどういうことなのかを考えてみると,やっぱり“本能を刺激するようなゲーム”って有利なのかな? と思ったりもするんです。もちろん,ファイナルファンタジーは世界的にも大きな成功を収めましたし,一概には言えないとは思いますが。
 名越さんが今後,世界市場向けに作るであろうゲーム――すでにプロジェクトが動いてるのかもしれませんが――は,どっち寄りの作品になるのでしょうか。

名越氏:
 んー,どっちでしょうねぇ(笑)。

4Gamer:
 やっぱり,そのあたりはまだ言えませんか。

名越氏:
 ただ僕の立ち位置から言わせてもらうならば,正直,そこは“両方ともやっていきたい”とは考えています。僕自身のゲームの作り方からしてそうなのですが,「僕はアクションゲームでいきます」「僕はドライブゲームでいきます」あるいは「パズルゲームでいきます」といったふうに,ジャンルやテーマを絞って作ろうとは思っていないんです。その時その時で,もっとも“熱量のある企画”をやっていきたいと考えています。


4Gamer:
 さまざまなジャンルのゲームを手がけられてきた,名越さんならではの発言ですね。

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名越氏といえば,やはり「龍が如く」シリーズが有名だろう。シリーズ最新作の「龍が如く3」は,50万本を超えるヒット作となった


「とてつもない」――海外大手メーカーの凄さについて


4Gamer:
 そういえば名越さんって,海外のゲームは結構遊ばれたりするんですか? ほかのメディアのインタビューなどでは,割といわゆる洋ゲーに関する発言をされているので気になっていたのですが。

名越氏:
 研究/調査として少し遊ぶ,というくらいですね。「あのタイトルが凄い!」ってスタッフとかから話を聞いたら,ちょっと触ってみて方向性やゲームのボリューム,テンポ感なんかをチェックしてみたりはします。ただ,最近はそんなにゲームをやり込めないので,他のクリエイターの方と比べると,全然浅い研究だとは思いますが。


4Gamer:
 海外のゲームを遊んでみて何か感じることはありますか?

名越氏:
 やっぱり「凄いな」と素直に思います。それは,絵的な凄さなどという部分もあるのですが,ゲームの背景に見え隠れする膨大な作業量だとか,そしてそれらが上手い具合に一つの形(作品)として完成を見ているところとか,そういう部分は本当に凄い。「とてつもないな」と感じますよ。

4Gamer:
 大規模開発に対するゲーム会社のアプローチというのは,ここ数年の大きなテーマですよね。

名越氏:
 そうですね。開発のワークフローやそれを支えるツールのあり方,組織のあり方など,それぞれが日本の企業よりも欧米の企業の方が洗練されているのは間違い r2 rmt

引用元:FF11 RMT

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